赤ちゃんの肌に赤いブツブツやかさぶたなどができると、ママやパパは不安になってしまいますね。
赤ちゃんの肌ってもっとすべすべだと思っていたんだけど・・・
うちの子の肌は大丈夫なのかしら?
実は乳児湿疹の多くは、正しくケアを行っていけば自然と治ることが多いと言われています。
原因や症状の状態、悪化しないためのケア方法などを知り、焦らず改善していきましょう!
ワセリンが乳児湿疹に処方されることが多いけど、ジュクジュクしているところに塗っていいのか不安になるママがいるんだ。
乳児湿疹とワセリンの関係についても調査していきます!
乳児の湿疹の基本事項とは?アトピーとは違う?
そもそも乳児湿疹とはいったいどういった状態をいうのでしょうか?
カサカサしているものからジュクジュクしているものまでさまざまな状態がありますが、基本的には日ごろのケアや肌のバリア機能が備わっていくにつれて、徐々に改善していくものを指します。
一方で、アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返し、慢性的に症状が続くものを指します。
アトピー性皮膚炎は、少し時間をかけて治していく必要があります。
うちの子は基本的にカサカサとしていて皮がポロポロするような感じかな?
真っ赤ではないけど、少し赤みがあるわ。
うちの子はジュクジュクして酷いと熱を出すこともあるの。
真っ赤な状態で、見てるだけで痛そう・・・。
実は乳児湿疹と言っても一人一人で症状が違うんだ。
乳児湿疹の基本的なことを知って、我が子の状態と比べてみよう。
乳児湿疹の原因と種類別スキンケア
乳児湿疹は生後1週間から1か月ごろに現れる症状で1歳前後まで見られますが、種類や個人によって状態が様々です。
新生児ニキビ/新生児挫創(しんせいじざそう)
胎盤から移行したママの女性ホルモンの影響で皮脂の分泌が増え、毛穴に皮脂が詰まることで起こります。
生後2~4か月ごろまでママの女性ホルモンの影響を受けるため、ホルモンバランスが落ち着いてくると治ってきます。
男の子に比較的多く、新生児の約20%によく見られます。
□入浴時に良く泡立てた石鹸でやさしく洗い、しっかり洗い流す。
□タオルでゴシゴシせず、押し付けるようにそっと身体を拭く。
乳児脂漏性湿疹(新生児脂漏性湿疹)
生後3~4週間の赤ちゃんに起こりやすく、ママの女性ホルモンの影響で増えた皮脂が毛穴につまり起こります。
頭や顔、脇下、首などの皮脂分泌の多い箇所に、油っぽく黄色い、魚のうろこのようなかさぶた状の痂皮ができます。
カサカサと乾燥したものやジュクジュクしたものもあり、状態は様々です。
適切なケアで改善していきますが、時々膿んでしまったり発熱を伴うことも!
病院で診察してもらい、炎症を抑える薬を使う必要があります。
□入浴前に痂皮にワセリン、またはベビーオイルなどを塗り、30分ほどふやかしてからよく泡立てた石鹸でやさしく洗います。
□押し付けるように身体を拭きます。
皮脂欠乏症・皮脂欠乏性湿疹
ママからの女性ホルモンの影響で、皮脂が多く分泌される時期を過ぎ、生後半年後くらいの頃から皮脂量が急激に減り、乾燥して皮膚トラブルになります。
皮膚が乾燥した状態は、痒みを引き起こし、赤ちゃんが搔きむしってしまうと、そこから皮膚のバリア機能が弱まり、食物アレルギーや喘息、花粉症などの原因となるアレルゲンの侵入を許してしまうことに。
気付かないうちにアレルギー体質になってしまうことも。
乾燥肌を放置しないようにしましょう。
□皮膚の乾燥でバリア機能が低下しているので、こまめな保湿が必要。
□入浴時には、石鹸をあまり使わず皮脂のたまりやすい部分(脇下、関節、首回りなど)のみにする。
□部屋の湿度にも注目し、適度な湿度を維持する。
□かゆみや湿疹が続く場合、アトピー性皮膚炎の可能性もあるので早めの受診を薦めます。
あせも
汗のかきやすい時期を中心に、肌が赤くなったり痒くなったりします。
汗に含まれる塩分やアンモニアに肌が長時間触れることで起こります。
厳密にいえば、湿疹とは異なり、汗に接触することで起こる皮膚炎になります。(よだれかぶれやおむつかぶれなどと同じ)
乾燥肌であったり、アトピーなどで皮膚のバリア機能が低下しているとあせもになりやすいです。
赤ちゃんの時期は年間を通して汗をかきやすいので、汗を拭くことはもちろん、こまめに着替えをするように心掛けましょう。
□接触性の皮膚炎なので、できる限り汗に触れる時間を短くすることが大事。
□こまめに汗を拭く、シャワーで流す、こまめな着替え、身体が蒸れることを避けるなど、一つずつ対応していきましょう。
□稀にカビによる湿疹を併発することがあるため、治りが悪い場合は、受診し検査することも考えましょう。
乳児湿疹を悪化させないためには?
基本は皮膚の状態を清潔に保ち、余計な刺激を与えないことです。
保湿することで、皮膚のバリアー機能が良好に保たれ、痒みや炎症が起こりにくくなります。
また、入浴時はタオルなどを使わず、手のひらで石鹸を泡立てて洗います。
タオルなども皮膚にとっては刺激になることがあるためです。
赤ちゃんの身体の、特にシワになるような箇所(脇下、肘裏、首、耳後ろなど)には、石鹸が残りやすいので、十分に洗い流すことも大切です。
乾燥で湿疹やかゆみが起こっている場合は、乾燥しやすい箇所や汚れにくい箇所には石鹸を使わず、お湯で洗い流すにとどめてもいいでしょう。
乳児の湿疹に適切なワセリンの使い方と効果
病院で処方されたり、ドラックストアでも手に入れやすいワセリンですが、適切な使い方やその効果についてしっかり理解していないという方も多いです。
知っておきたいワセリンの種類
ワセリンには「黄色ワセリン」「白色ワセリン」「プロペト」「サンホワイト」と、種類があることを知っていましたか?
黄色ワセリン<白色ワセリン<プロペト<サンホワイトの順で、右にいくほど不純物の少ない高純度になります。
処方ではほとんどが「白色ワセリン」か「プロペト」ではないでしょうか?
ちなみにユニリーバの「ヴァセリン」は、黄色ワセリンの種類に入り、化粧品として販売されているものなので間違えないように!
ワセリンが乳湿疹に処方される理由
ワセリンにはステロイドのような抗炎症作用はありません。
また、ワセリン自体が皮膚に水分を与えるような作用もなく、皮膚を保護して水分が逃げていくのを抑える作用をします。
乳児湿疹では、皮脂の過多により毛穴が詰まることで症状が出ますが、入浴時にそれらの汚れを落とし、早めにワセリンで皮膚を保護することで、バリア機能の弱まっている肌も守ることができます。
いうなれば、肌をワセリンでカバーし、水分が逃げるのを抑え、アレルゲンから守ってくれるお薬なので、使い過ぎによる悪い影響がないところで、赤ちゃんの肌トラブルにもよく処方されるということです。
薬の効果のようなものがないから、赤ちゃんにも使いやすいってことか!
よく塗り薬は漫然と使ってはダメって聞くけど、ワセリンの場合は保湿のために続けても大丈夫なのね!
肌トラブルをワセリンで解決!よく理解しないと悪化することも?
刺激性がなく、安全性が高いので顔から足の先まで全身に使えます。
入浴後など、肌に潤いがある状態の時に、ワセリンで肌を保護するのが、一番ワセリンの効果が高いと言えるでしょう。
赤ちゃんの肌は大人に比べて薄く乾燥もしやすいので、ワセリンをこまめに塗ることで外部からの刺激から守り、衣服の摩擦などからも守ることができます。
赤ちゃんに使う場合は必ず白色ワセリン以上の純度のものを使いましょう。
市販の「ベビーワセリン」は、白色ワセリンになります。
冬場にかかとなどのひび割れ、手指のあかぎれなどにも、乾燥させないようにこまめに塗っていると効果的です。
肌トラブルの状態によっては、ワセリンの油分が毛穴を塞いでしまい、症状を悪化させることもあります。
しっかり入浴で洗い流せればいいのですが、ゴシゴシするのは逆効果なので、赤みが酷くなったりするときは、迷わず医療機関で別の薬を出してもらいましょう!
ワセリンの危険性は?
ワセリンは石油由来の炭化水素類の混合物を脱色して精製されたものです。
石油由来と聞くと、危険なように感じますが、石油という天然物を原料にしていて、安全性も長年確立されてるので、とても安全に使用してもらえます。
ただし、石油由来のものなので、誤って飲み込んでしまった場合は、油ものを大量に摂ってしまった時の胸やけのような症状を起こすことがあります。
少量であれば問題ないですが、大量に飲み込んでしまった時は医師に相談しましょう。
また、ワセリンであっても前述した純度の低いものなどでは、かぶれることもあるので、症状が現れた時は使用をストップし、医療機関を受診することをお勧めします。
ワセリンって石油由来だったの!
意外!でも長年使用されてきて安全性が確立されているお薬なのね。
乳児の湿疹のケアのポイント!保湿しない方がいいときもある?
赤ちゃんの肌は、一見潤っていそうに見えますが、乾燥に弱く外からの刺激に敏感です。
スキンケアの基本は、汚れをきちんと洗い、皮膚の足りない水分を保湿剤で補い、バリアすること。
赤ちゃんの肌をこまめに保湿しながら、スキンシップをとり、赤ちゃんの肌状態を確認していきましょう。
毎日、しっかり保湿をしていると、スキンシップからその日の赤ちゃんの肌状態がわかってきます。
ママやパパとのスキンシップが赤ちゃんにいい影響を与えることもあるので、こまめに保湿できるよう続けていきましょう。
病院に受診することの重要性
乳児湿疹の多くは次第に良くなっていくことが多いです。
しかし、赤みが一向に良くならなかったり、炎症が酷く発熱などを伴う場合は、アトピー性皮膚炎であったり他に飲み薬や塗り薬を使用しないといけないケースである可能性も。
皮膚科もしくは小児科の医師に、赤ちゃんの肌状態を確認してもらって、適切な処置を仰ぎましょう。
早めの対処でバリア機能の弱まった赤ちゃんの肌に、アレルゲンなどの外的因子がつく機会を減らすことができます。
とりあえず塗り薬を貰ったから、続けていればいいと思ってたけど・・・定期的に受診したほうが良さそうね!
ワセリン以外のケア方法
ワセリンはあくまで皮膚を保護するお薬です。
炎症などが起こっている場合は、炎症を抑える塗り薬や酷い場合は飲み薬が処方されることもあります。
また痒みを伴う時も、痒みを抑える塗り薬や飲み薬が処方されます。
いずれの場合も、肌のバリア機能を回復し、弱まった肌にさらに攻撃される機会を減らしてくれるので、しっかり治療していくことを強くお勧めします。
肌の状態が真っ赤なのに、ワセリンだけを一生懸命塗っているママを見かけることがあるよ!
炎症が酷く出ているようなら早めに他のお薬で対処していかないと、アレルゲンなどに弱った皮膚がさらされることになるから、赤ちゃんのためにも早めの受診を!
乳児湿疹におすすめな肌ケアの仕方
過剰に分泌される皮脂が肌トラブルの主な原因ですので、しっかりその皮脂を洗い流すことが大切になります。
この皮脂をしっかり落とすことをせずにワセリンで皮膚を保護してしまうと、症状を改善することが難しくなるので、ここは徹底しましょう。
もちろんですが、ゴシゴシと洗い流すのではなく、肌に負担をかけないように優しく洗うことを心がけてください。
そして、その後の保湿・保護を徹底することで肌のバリア機能を保ちます。
皮脂も問題ですが乾燥も肌を弱らせるため、このバランスが大事と言えます。
また、お出かけなどの時も紫外線や虫刺されなどが外的刺激になります。
紫外線対策、虫除け対策もしっかり行いましょう。
乳児の湿疹がジュクジュクしている!ワセリンで本当に治るのか?適切なケアを知って赤ちゃんの肌を守ろう!-まとめ-
赤ちゃんの肌はとても弱く、繊細です。
皮脂が多い時期にはしっかり皮脂を落とし、乾燥が酷くなる時期には乾燥対策で肌の保護をきちんと行っていきましょう。
赤ちゃん自体の抵抗力や強くなったり、肌のバリア機能が上がれば、自然と症状も緩和されていくはずです。
また、定期的に医師に肌の状態を確認してもらうことは、症状の経過を確認するのにもとても重要です。
病院への受診は定期的に行いましょう。