発熱して咳や鼻水もあったから、小児科にかかったのだけど、「夏風邪ですね」って言われたよ。
コロナの検査は陰性だったのだけど、夏風邪とコロナの違いって他にはないの?
そうだね。
だんだん暑くなってくると、季節の変わり目に夏風邪にかかる子供が増えてくるよ。
急に発熱したりするからコロナかと思ってビックリするけど、意外と陰性なことも多いんだ。
子供が急に発熱した時や、咳鼻水などの風邪症状が出始めると、「もしかしてコロナかも?」と思いませんか?
今回は、夏風邪とコロナの違いを症状や潜伏期間、治療法などから比較してみました。
※コロナに関する情報は、2023.7現在のものです
夏風邪の症状とコロナの違いはどこ?
朝、高熱が出て慌てて小児科にかかったんだけど、検査しなかったの。
症状や見た目でコロナとかってわかるのかな?
今朝熱が出たばかりだと、検査してもしっかりと結果が出ないことがあるんだ。
コロナかと思って受診しても、夏風邪ですねと言われることも少なくありません。
では、コロナと夏風邪の症状はどこか違いがあるのでしょうか?
夏風邪の症状はコロナに似ているのか?
夏風邪とコロナの症状は、実はとても良く似ています。
特にコロナの初期の症状は、夏風邪のような症状が出るので、症状だけで判断することは不可能でしょう。
実際に、代表的な夏風邪とコロナではどんな症状が出るのでしょうか。
小児のコロナの症状
□発熱
□咳
□鼻水
□食欲減退
新型コロナ感染全体としては、咳や咽頭痛などの上気道症状が多いが、10歳未満の小児に限ると発熱する割合が多くなっています。
また全身の倦怠感などの症状は、比較的に重症化しやすい高齢者に現れるようです。
引用元 北海道大学病院
夏風邪の種類と症状
夏風邪というのは、一般的に梅雨から夏にかけて流行る病気の総称です。
暑さやエアコンの使い過ぎなどによって、身体が疲れていると免疫が低下し風邪にかかりやすくなります。
主な症状として、「発熱」「咽頭痛」「咳」「鼻水」「頭痛」「下痢」「腹痛」「湿疹」などです。
これらの症状が夏風邪の主なものですが、夏にかかりやすい病名のついた病気もあります。
いくつかの代表的な夏風邪について、その症状とともに紹介します。
ヘルパンギーナ
40℃近い高熱が3日ほど続きます。
喉の奥に小さな水ぶくれができるので、飲食が困難になり、脱水症状をきたすことがあるので注意が必要です。
手足口病
5歳以下に多く発症し、手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれができます。
稀にお尻やひざなどにできることも。
熱はあまり出ませんが、子供によっては高熱が出ることもあります。
手足の水ぶくれはそれほど痛がりませんが、口内の水ぶくれが痛く、飲食が困難になり脱水症状になることがあるので注意しましょう。
プール熱(咽頭結膜熱)
38℃以上の高熱が4~5日続き、のどの痛みや目が赤くなります。
そのほか、頭痛や吐き気、腹痛や下痢などの症状が出ることも。
コロナの症状が出る順番は?
コロナの症状は初期の場合、風邪の症状とほぼ区別がつきません。
人によって症状はまちまちで、確定的なものではありませんが、まず多くの人に現れるのがこの3つの症状です。
★熱
★咳
★倦怠感
その後、人によって出てくる可能性があるのが、
★味覚・嗅覚障害
★鼻づまり
★のどの痛み
★頭痛
★筋肉・関節の痛み
★吐き気
★下痢
症状の順番も、全く症状が出ない人もいるため、前後したりすることもあります。
夏風邪とコロナの潜伏期間の違いは?
テレビとかでよく聞くけど、潜伏期間って何のこと?
潜伏期間とは
①病原体に感染してから発症するまでの期間
②感染してから感染者が人にうつすようになるまでの期間
①の期間が②より長い場合、人にうつす状態であるにも関わらず症状が出ていないので、自覚症状がなく周りにうつしてしまう可能性があります。
夏風邪の潜伏期間
ヘルパンギーナ
2~4日ほどの潜伏期間を経て、発熱とのどの痛みが出ます。
発症と同時に、直径1~5mmほどの水ぶくれが口の中にできます。
手足口病
3~5日ほどの潜伏期間を経て水ぶくれが現れます。
3~7日ほどで自然とかさぶたになり治っていきます。
プール熱(咽頭結膜熱)
5~7日ほどの潜伏期間を経て、38~39℃の発熱とのどの痛み、結膜炎を発症します。
初めは片目だけの症状であっても、2日ほどでもう片方にもウイルスがうつり症状が出ます。
目の症状が強く出ますが、3~5日ほどで自然に回復していきます。
コロナの潜伏期間
コロナの潜伏期間は、1~14日(平均約5日)と言われています。
ただし、新型コロナの変異株によって、潜伏期間も異なり、2023年4月に発表されたフランスの報告では、最近流行しているオミクロン株で、感染してから2~4日後に発症しやすいとなっていました。
また、最長14日とされていますが、オミクロン株では短縮される傾向にあり、平均として3日ほどで発症すると考えられます。
海外の報告では、感染者との接触から11日以降はほとんど発症していないため、濃厚接触をした場合であっても10日経過すれば、ほぼ発症しないだろうとされています。
参考元 COVID-19の潜伏期間 フランスにおいて懸念される変異種、感染状況による潜伏期間
夏風邪とコロナの治し方の違いは?
今のところ、夏風邪とコロナの違いってあんまり見当たらなくて見分けはつきにくいんだけど、治し方は違うのかな?
そうだね。
夏風邪とコロナの症状は、オミクロン株が流行しだしてからなおさら見分けがつきにくくなったよ。
治し方も、どちらも対症療法なことは多いんだ。
夏風邪の種類別治し方
ヘルパンギーナ
口内の観察で診断することが多く、検査をすることは稀です。
また、治療薬は今のところ存在しないので、対症療法になります。
口内の水ぶくれによる脱水症状には注意しましょう。
手足口病
特に検査などは行われません。
手足口病の原因となるウイルスへの治療薬はないので、対症療法となります。
手足の水ぶくれは、3~7日でかさぶたになっていくので、塗り薬は使われませんが、かゆみなどが稀に出る時はかゆみ止めの成分の入った塗り薬が出ることがあります。
プール熱(咽頭結膜熱)
鼻水や唾液などにアデノウイルスが含まれているかを調べるキットがあります。
ただし、見た目でプール熱とわかる場合は検査しません。
抗ウイルス薬は今のところないので、対症療法となります。
コロナの治し方
新型コロナウイルスに対する治療薬が、すでにいくつか存在はするものの、小児の感染者の症状は比較的軽症であることが多く、これらの治療薬の使用経験が少なすぎるため、積極的に使うことはしません。
現状では、発熱時には解熱剤、咳鼻水症状にはそれらに対する薬を処方する対症療法になります。
そのため、検査でコロナ陽性となった場合も、特別な治療をするわけではないのです。
ただし、重症化する可能性の高い2歳未満の子供や高齢者では、その限りではなく、治療薬を使用する場合もあるため発熱などの症状が出た場合は、医師の診察を受けることをお勧めいたします。
参照 日本小児科学会
夏風邪にしてもコロナにしても、対症療法になってしまうんだね。
夏風邪にこれといった治療薬がないのは初めて知ったよ。
夏風邪は小さいけど特徴的な症状が出ることがあるから、脱水症状などに気を付けることが大事だよ。
対症療法が基本になるけど、子供が何の感染症にかかっているかを知っておくことはその後のケアにもつながる大事な情報だね。
夏風邪なのかコロナなのか違いはどこにある?夏に引きやすい風邪とコロナの特徴を比較してみた-まとめ-
コロナの症状と、夏風邪の症状はかなり似たところがあるようです。
実際のところ、検査をしてみないとコロナ感染しているのかどうかわからないくらいなのが現状でしょう。
また、コロナ陽性の診断が出たとしても、症状が軽い場合は特別な処方が出るわけでもなく、対症療法となりますので、自宅で安静にしていることが一番の治療と言えます。
夏風邪にしても、ほとんどの場合は対症療法となり、コロナと対応が変わらないことがほとんどです。
ただ、子供が何の感染症にかかっているかを把握することは、その後のケアをするうえでも重要な情報になりますので、何かしらの症状が出た場合は、医師の診断を受けることをお勧めします。