オーバードーズとは?
そもそも、オーバードースって言葉自体あまりよく知らないのよね。
最近よく耳にするようになったけれど、少し前は聞かなかったからね。
そこからしっかり理解していこう!
オーバードーズの定義と背景オーバー
ドーズ(過剰摂取)とは、薬やアルコール、または他の化学物質を必要以上に摂取することで、身体に危険が伴う状態を言います。
薬の取り過ぎが、体にどのような影響を及ぼすのか、理解されていないことが多く、特に処方薬や市販薬であっても使い方を間違えたり、過剰摂取すれば安全ではないことを認知されていないというのが重要なポイントになります。
オーバードーズの種類は?
過剰摂取は、使用する薬物の種類によって影響は大きく異なります。
処方薬や市販薬の鎮痛剤の過剰摂取は、呼吸抑制や神経系のまた、アルコールの大量摂取や静鎮剤などの組み合わせも危険であり、意識不明や最悪の場合には死亡するリスクもあります。
未成年者が簡単に手に入れることができる薬品で、重大な健康被害を起こすことができてしまうので、その取り扱いなどにはしっかり規制が必要になってきます。
オーバードーズによる典型的な症状とその対処法オーバー
オーバードースした場合、突然の吐き気や呼吸困難、意識が遠のくなどの症状が現れることがあります。
薬を過剰に飲んだときや、間違った使い方をしたときなど、いざという時の対処法(すぐに救急車を呼ぶ、口の中に物を入れない、横に寝られるなど)を知っておくことが重要です。
オーバードースが流行っている理由
オーバードースが少しずつ多くなっているのはなぜなんだろ?
若年層を取り巻くストレス環境と不安
学業や将来の進路、家庭の問題など、特に若者の抱える不安やストレスが多様化している中で、自分の気持ちを落ち着かせるために薬物に手を出すというのが一番の要因と考えられます。
親とのコミュニケーション不足や友人関係での孤立感など、若年層の薬物使用を防ぐ手立てが希薄になっていることもオーバードースを助長させているのではないでしょうか。
特に、小学校高学年から中学生は「第二次反抗期」に入り、心と体が急激に変化するため、本人たち自身が不安定で自分自身のことがわからないような時期です。
心と体の不安定さから、イライラを身近な人間にぶつけてしまったり、それができない環境なら、オーバードースなどで自身を気付つけるようなことに手を出すことも考えられます。
ストレスの多い世の中であることも改善していかなくてはならない課題ですが、そもそも、この年代の子供たちは揺らぎやすい年ごろだということを大人は認識しておく必要があるでしょう。
簡単に手に入る薬物の存在
最近は、市販薬や処方薬を簡単に入手できる環境もオーバードーズを助長させてしまっています。例えば、オンライン販売が普及していることで、若者が親の目を盗んで薬を購入することも容易になりました。
実際の店舗での販売であっても、薬剤師や登録販売者の認識が甘く、未成年者に制限以上の薬を販売して問題になっているケースもあります。
善悪の判断の弱い子供たちを、いかに守れるか。
様々な対策が必要になってきます。
ソーシャルメディアの影響
SNSでは「#挑戦」や「#トライ」などのタグで、特定の薬物の過剰摂取を試す行動が拡散され、罪の意識もなく、危機管理能力の低い若者の間で興味本位の投稿がされています。
非常に危険な行いであるにも関わらず、動画内の楽しそうな雰囲気だけで、危険性を考えないまま手を出す場合があるため、ソーシャルメディアのリスクについても啓発が必要です。
SNSの普及で、子供たちは簡単に薬についての情報などに触れることができ、そして若い年代の子供たちに悪意ある情報を簡単に伝えられる仕組みにもなっています。
まだ経験の少ない子供たちが、良くない情報を悪だと判断するには、大人の手助けがどうしても必要になります。
オーバードースの危険性
実際にオーバードースすると、どんな危険性があるのかな?
身体への影響:急性中毒と長期的な健康リスク
オーバードーズは、肝臓や腎臓への負担が大きく、呼吸困難や脳への被害も覚悟する必要があります。
急性中毒により救急搬送が必要となるケースや、発見が遅れれば、死に至ることも十分考えられます。
一度の過剰摂取が、体内に深刻なダメージを残し、未来に大きな影を落としてしまうかもしれないのです。
精神的な依存とそのリスクを
麻薬同様、一度過剰摂取してしまうと、「意外と大丈夫だったじゃん!」だとか「もう少したくさん飲んでみよう」などと、行動が制限できなくなり、繰り返し摂取するようになっていきます。
こうなってしまうと、何か異常事態が起きない限りやめられなくなり、依存症にかかるリスクも増大します。
家族や周囲のサポートがあっても聞き入れにくくなり、負のループに陥ってしまうため、初動で過剰摂取することを防ぐことが重要になってきます。
薬剤師としてできること
オーバードースは、今、都市部を中心にとても深刻な問題になっているよね。
私たち薬剤師や医療従事者には、どんなことができるだろう?
薬に関する相談を受ける窓口
薬剤師は、薬に関する質問を受けるための重要な存在であり、使用方法や副作用、摂取量について丁寧に説明することが求められます。
医師の処方箋を監査し、薬の管理をしているだけにとどまらず、地域に人々が薬や健康にもっと接触的に知識を得ようとするためのサポートを行っていかなくてはなりません。
「薬局に行けば薬剤師に薬のことが聞ける」、「最近少し不安になっていることがあるのだけど」と病院を訪れる前に、薬局に足を運んでもらえるように活動していかなくてはなりません。
隠された薬物依存やオーバードースを見つけ出す
処方薬を頻繁に持ってくる患者さんや、特定の薬物に強い関心を示す場合、依存や過剰摂取の可能性があると疑うべきです。
地域で連携し、特定の患者さんが服用しているお薬について情報共有することで、過剰摂取を見つけ出すことができるでしょう。
地域での啓発活動と教育的な役割
薬剤師は地域で薬物のリスクについて啓発する重要な役割も担っています。学校や地域イベントで講演やワークショップを開催し、若者や保護者に薬物の危険性を知らせることで、予防に貢献することができます。
従来の薬剤師は、どうしても薬局から出ることをしない人が多かったですが、これからの時代は、持っている知識を多くの方に伝えるための活動をしていかなくてはならないと考えています。
学校や教育現場での対策
薬剤師さんも頑張っているのね!
学校や家庭でも何か対策はできるのかしら?
親子間の信頼関係を見直す
親は、子どもとのコミュニケーションをしっかりと取り、日々の不安やストレスにいち早く気づくように準備しておく必要があります。
子供にとっての世界は、学校か家庭がほとんどでしょう。
学校でストレスのかかる環境や不安な状況に遭遇したとしても、「家に帰って親に相談しよう。」だとか、「親が自分の味方をしてくれるだろう」と思える信頼関係を作っておくことで、子供の心の逃げ道を作ることができます。
親子間での信頼関係をしっかり築けば、ストレスや不安にも薬物頼らずに立ち向かっていけるようになります。
学校でのメンタルヘルスサポートの充実
学校には、心理カウンセラーがいて、子どもストレスを軽減する支援体制を整えています。
しかしながら、「子供の気持ちに寄り添いましょう」だとか「子供に強要することは避けましょう」など、腫れ物に触るような対策ばかりで、余計に子供の居場所をなくしてしまっている場合も多く見受けられます。
子供が自身の抱えている問題としっかりと向き合い、それをサポートしていけるような体制を整えていくことが必要とされていると思います。
また、薬についての知識も子供には乏しいです。
薬についての話し合いや専門家を招いての講演会などを子供や保護者向けに行う頻度を上げることも必要となるでしょう。
早期発見と適切な対応のための支援
親や教師は、子どもの行動に変化が見られた場合、迅速に専門家に相談し、サポート体制を整える必要があります。
子供の変化になかなか気づくことができないと、子供自身のやり場のない不安などを薬物で解決してしまうこともあります。
まずは、早期発見を目指し、地域や学校と連携して対応することで、薬物乱用を防ぐことができるのではないでしょうか。
結論
オーバードーズの問題は個人だけでなく、社会全体に与える影響を考える真剣な課題です。
薬剤師、親、学校が連携し、情報提供とサポートをし、子どもたちを守るための体制を強化することが求められます。
このような支援の輪が広がれば、薬物の過剰摂取を防ぐだけでなく、健康で安心して成長できる社会を築くことができると考えます。