子供や家族がインフルエンザに罹った時、一緒に住んでいる家族や他の子どもにうつらないか心配ですよね?
今回は、インフルエンザに身近な人がかかった時でも、感染しない方法をいくつか提案したいと思います。
今回紹介する方法は、必ず感染しないことを保証する内容ではないことを予めご了承ください。
まず、私は小児科門前の薬局で、日々インフルエンザ陽性の患者様に服薬指導を行っています。
10代の患者様の場合、服用する薬の場合もあれば吸入薬の場合もあり、目の前で
「はい!息を吐いてー、はいっ、吸ってー!」
なんて指導することもあります。
そのため、患者様のご両親からは
「そんな近くで接して、先生はインフルエンザにかからないんですか!?」
とよく聞かれます。
もちろんかかることはあります。
人間なんで(笑)。
ですが、毎日のようにインフルエンザ陽性者と接していてもかからないこともあります。(ほとんどかかりません。・・・人間?)
おそらく、医療従事者として、感染対策を日ごろから行っているおかげではないかと予想しています。
そこで、インフルエンザに罹った子供やご家族と接するときに気を付けておきたいポイントについてまとめました。
インフルエンザについて知っておくべきこと
そもそも、インフルエンザってどーゆーものよ?って話なのよ。
発熱して辛いってことしか、よくわからない・・・。
インフルエンザとは?
インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因で発症する感染症です。
このウイルスはA型、B型、C型に分類され、主にA型とB型が人に影響を与えます。
ウイルスの潜伏期間は通常1〜4日で、感染経路としては飛沫感染や接触感染が一般的です。
飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみによって放出されたウイルスを吸い込むことで起こります。
一方、接触感染は、ウイルスが付着した物体に触れた後に手で口や鼻を触ることで感染します。
つまり!
咳やくしゃみに対しての対策が大切なのはもちろんのこと、どこにあるかわからないウイルスを触って、それを口や鼻から入れないようにする対策も重要ってことだよ!
インフルエンザになると?
インフルエンザの症状は、急な高熱、喉の痛み、咳、鼻水、筋肉痛、倦怠感などです。
特に発熱は突然始まり、39℃以上になることもあります。
一部の人では、発熱しない場合もありますが、咳や鼻水、全身の倦怠感が現れることがあります。
え!発熱しないこともあるの?
知らないうちに感染して、周りにうつしてしまっているかもしれないのね。
病院には行かなくても良い?
インフルエンザは自然治癒することもありますが、症状が長引く場合や重症化する可能性もあります。
特に乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ人では、インフルエンザ脳症のリスクがあるため注意が必要です。
高熱が続く、意識がもうろうとする、呼吸が困難になるなどの症状が見られた場合は、速やかに病院を受診しましょう。
発熱がすぐに治まるんじゃやないかなとか、インフルエンザになってたら学校休まないといけないなーとか思うとあんまり病院行きたくないんだよね・・・。
インフルエンザの発熱が1日で治まることはほとんどない。
インフルエンザと診断されれば、学校は休まないといけないけど、インフルエンザの薬の服用で、早めに解熱してくれるから楽にはなるよ!
予防接種は必要か?
インフルエンザの予防接種は、感染を防ぐために効果的な手段の一つです。
予防接種を受けることで、インフルエンザにかかった場合でも症状が軽く済むことが期待されます。
また、感染そのものを防ぐ可能性もあります。
ただし、予防接種を受けたからといって、絶対に感染しないわけではありません。
ウイルスの型が予防接種の型と一致しない場合や、免疫力が低下している場合には感染することもあります。
それでも、重症化のリスクを下げる効果があるため、特に乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方には接種が推奨されています。
インフルエンザと診断されたら?
インフルエンザにかかっちゃった!
どれくらいで体調って良くなるものなの!?
インフルエンザの治療は?
インフルエンザの治療には抗ウイルス薬が使用されます。
主な治療法としては、内服薬(タミフルなど)、吸入薬(リレンザ、イナビルなど)、点滴薬(ラピアクタ)があります。
年齢別の治療法の違いもあり、例えば、小児では吸入薬が苦手な場合、内服薬が選ばれることがあります。
一方、高齢者では点滴薬が選択されることもあります。
吸入薬のイナビルは、吸入が難しく、小学1.2年生くらいから処方されることが多い。
だけど、1度吸入したらタミフルやリレンザのように何日も使う必要がないのが良いところだよ!
ちなみに、イナビルは少し苦い。
強く吸い込んで気管に入れられればそんなに味は感じないけど、吸いが弱いと口の中に粉が残ってしまって苦味を感じやすいんだ。
勢いよく吸い込むことが大事だよ!
もし、苦いタミフルが嫌なら、吸入のリレンザは甘めだと言われている。
5日間吸入しないといけないけど、苦味が苦手な子はリレンザに挑戦してみよう。
治療開始からの流れ
抗ウイルス薬を使用した場合、発症から48時間以内であれば症状の進行を抑える効果があります。
治療開始後、通常は2〜3日で解熱しますが、咳や鼻水、喉の痛みがしばらく続くことがあります。
学校や職場への復帰については、小中学校では発症後5日かつ解熱後2日を経過するまでは出席停止となります。
発熱後24時間を経過していないとインフルエンザウイルスの量が少なく、検査キットで確認できないこともある。
そして、発症から時間が経過しすぎていると、症状の進行を抑える効果が低いため、薬の処方がないときもあるんだ。
発熱したら、24時間前後で検査するようにしよう!
重症化するとどうなる?
重症化すると肺炎や気管支炎、インフルエンザ脳症などを引き起こす可能性があります。
特に乳幼児や高齢者は重症化のリスクが高いため、早めの治療が重要です。
「うわごとを言っている」
「痙攣している」
等、何かおかしいなと感じた時は、早めに医療機関を受診しよう!
インフルエンザと身近な人が診断されたら
子供インフル!
私も!?家族の感染はどうやって防ぐの!?
自身が感染している可能性は?
インフルエンザの潜伏期間は1〜4日で、この間に感染が広がることがあります。
感染者と近距離で接触した場合、感染の可能性は高まりますが、適切な予防策を取ることで感染リスクを大幅に下げることができます。
インフルエンザ陽性者と接触してから、5日経過しているなら感染の心配は少ないと言われているよ!
5日目までは様子をしっかり見よう。
家族や他の子どもに感染させないための対策
インフルエンザの治療を始めても、うつしてしまうリスクはあるので、家庭内で対策をしっかり取ろう!
手洗いうがい
基本ですが、手洗いうがいを徹底することで、ウイルスが体内に入るのを防ぎます。
接触感染は、ウイルスを触った手で鼻や口を触ってしまうことで感染するので、細心の注意をします。
特に食事前やトイレ後には必ず行いましょう。
ウイルス感染用の消毒薬
感染者の世話をする際には、衣服や髪などに付着したウイルスを消毒することが重要です。
家庭用のアルコール消毒薬を使用すると効果的です。
水分補給
喉や咽頭に付着したウイルスを洗い流すために、こまめに水分補給を行いましょう。
マスクの使用
感染者も家族もマスクを着用することで、飛沫感染を予防できます。
やむを得ず一緒に寝る場合でも、マスクの使用を推奨します。
温かい食べ物や飲み物
身体を冷やさず、温めることで免疫力を高めることができます。
スープやお茶などがおすすめです。
インフルエンザの患者様に投薬した時は、手指や白衣の消毒と水分補給を心がけています。
手洗いうがいをする前に食事しないように注意しています。
おわりに
インフルエンザは予防と早期対応が鍵です。
一緒に住む家族がインフルエンザに罹った際も、適切な対策を講じることで感染リスクを減らすことができます。
日常生活での感染対策を心がけ、元気に冬を乗り越えましょう!