もう仕事に行きたくない・・・。
あんな恥ずかしい思い二度としたくないし・・・。
私はもう二度と働きにいかない。
おや?どうしましたか?
落ち込んでいますね。
もういいの。
何もしたくない・・・。
あらら。ちょっとレジリエンスが低いようですね。
ストレス社会の現代では、いかに困難にへこたれないかというレジリエンスの高さが重要になってきますよ!
レジリエンス?
レジリエンスとは?
「レジリエンス」って最近少し聞くようになったけど、意味はよくわからないな・・・。
レジリエンスとは何か
「レジリエンス」とは、ストレスフルな状況でも柔軟に対応し、成長に導く力、粘り強さ、そして回復力を意味します。これは、精神的にも身体的にも健康に生きるために重要な要素とされています。
誰でも落ち込むことはありますが、大切なのはそこから如何に立ち直るかという点です。
人間関係や受験、就職や仕事での失敗など、躓いた時でも上手に自分の気持ちを切り替えて立ち上がることができるかで、人生の質は大きく変わってきます。
心折れそうな状況に、いかに反応して乗り越えていけるかをレジリエンスとしています。
レジリエンスが高いと、困難を乗り越え、前向きに成長できるようになるでしょう。
なるほど!
いろんなストレスとかに巻き込まれても、結構けろっとしている人は「レジリエンス」が高かったのか!
レジリエンスの大切さ
失敗したり落ち込んだり、劣等感を抱いた際に、気持ちの切り替えが上手な人とそうでない人がいます。これは「レジリエンス」の高さの違いによるものです。
レジリエンスが低いと気持ちの切り替えができないばかりか、次も「また失敗するかも」「どうせだめだ」と考え、挑戦することを恐れるようになっていってしまいます。
反対に、レジリエンスを高く育てると、挑戦を恐れない子に育ちます。失敗しても自分は大丈夫という自信もつくため、新しいことでも挑戦する強い心を持つことができるからです。
この「レジリエンス」の高さは、子供が社会を生き抜くのに非常に重要な力となってきます。
成長に合わせて新しい環境に飛び込むこともありますし、目まぐるしい変化を遂げる現代社会では、新しいことに挑戦しないと生き抜いていくことができなくなっていきます。
レジリエンスを高めて、どんな困難にも挫けない強い心を育てましょう。
レジリエンスを育てる要素
「レジリエンス」って育てられるの!?
実は、子供だけじゃなくて、いくつになっても高めていくことはできるんだ!
レジリエンスを育てるためには、いくつかの要素が必要になります。具体的には、①ポジティブ感情②自尊心③自己効力感④ソーシャルサポートです。
これらの要素を育てることで、子どもは困難な状況でもしなやかに立ち直る力を身につけることができます。
そして、実はこの要素は何歳からでも育てて鍛えることができます。親子で「レジリエンス」を鍛えることで、様々な困難に立ち向かえるようになるのではないでしょうか。
レジリエンスは鍛えられる?トレーニングで強い心を作ろう
「レジリエンス」って育てられるのね!
どんなふうに育てたらいいのかしら?
レジリエンスは筋肉のように鍛えられる
レジリエンスは筋肉のように、日々のトレーニングで鍛えることが可能です。
日ごろから、トレーニングをして「レジリエンス」を高めておくことで、子どもは困難に直面した際でも柔軟に対応できるようになります。子供とともに、適切なトレーニングをし、また、サポートすることでより良い親子関係も築かれることでしょう。
トレーニングをすればいいのね!
・・・でも、どんなトレーニング?
4つの「自分に関するイメージ」を思い浮かべる
レジリエンスを鍛える一つの方法として、「I CAN」「I like」「I am」「I have」という4つの自分に関するイメージを思い浮かべることを習慣化する方法があります。この方法を日々行うことで、心を支える土台が作られ、レジリエンスが身につきます。
- I CAN – 自分ができることを思い浮かべる。この感情が根底にあることで、粘り強さを持つことができます。自己効力感を育てる重要なステップです。
- I like – 自分が好きだと思えることを思い浮かべる。ポジティブ感情を育てることで、前向きな気持ちを持ちやすくなります。
- I am – 自分が何であるか、肯定的な事柄を思い浮かべることで、程よい自尊心を持つことができます。これは、自分自身を受け入れることに繋がります。
- I have – 自分を応援してくれる人や大事にしてくれる人を思い浮かべることで、味方がいると感じ、ソーシャルサポートを感じられます。
この4つを毎日の生活の中で思い浮かべたり考えたりするようにするのね!
子供の場合、自分自身ではできないこともあるから、親が変わりに、「あなたは○○が得意なのね!」「いつでも味方でいるよ!」と言葉かけしたり伝えてあげることで、本人も「「自分とは・・・」と認識することができるようになるよ!やってみて!
レジリエンスを高めるためのゲーム
子どもにとって楽しみながらレジリエンスを鍛えるには、ゲームを活用するのも効果的です。例えば、失敗しても何度も挑戦するようなゲームを通じて、「失敗は成功のもと」であることを学びます。
こうしたゲームは、自己効力感を育て、挑戦を恐れない心を作る助けになるでしょう。
レジリエンスが育つ 助け合い体感ゲーム
カードゲームを通して、「こんな困った時にはどうしたらいい?」ということが学べます。
「人に迷惑をかけない」と育った子どもは、簡単に「助けて」と言えないようになってしまいます。
このゲームを通して、「助けて」と発信しても大丈夫だと気付けるようになるでしょう。
LEGO
LEGOなどのブロックは、何かを作るとき初めから上手にはできません。何度も試行錯誤を重ねながら、自分の思い描いているものを構築していきます。
そのため、ブロックで遊んでいるように見えてレジリエンスを育てているのです。
実は、LEGOの公式でもレジリエンスについて、子供のレジリエンスの発達に貢献することができるとされています。
こういうゲームからも「レジリエンス」って育つのかー。
物事の見方を変えてレジリエンスを育てる
さまざまなストレッサーには、「レジリエンス」の高さだけでは対応しきれないことも。
ストレッサー自体のとらえ方も柔軟性を持つと、より立ち直る力が強くなるよ!
ストレッサーを多面的に捉える
レジリエンスを高めるためには、ストレッサー(ストレスの原因)を多面的に捉えることも大切です。
同じ出来事でも、視点を変えることでストレスの感じ方が変わることがあります。「本当に完璧にやらなくてはいけないことだったのか?」「相手の気持ちはどうだったのか?」「自分と相手のバックグラウンドは違うのではないか?」など、少し引いて物事をとらえてみると、違う見え方になることもあります。
このように物事を異なる視点で見ることで、ストレスに対する柔軟な対応が可能になり、より強い心を持つことができるのです。
物事の見方を変えれば、ストレスの感じ方も変わります。
子どもが失敗したときに「失敗した」と捉えるのではなく、「学ぶ機会だった」とポジティブに捉えることで、ストレスからの回復が容易になります。まずは、ポジティブな捉え方をすることが、レジリエンスを育てる大切な一歩です。
家族で取り組むレジリエンス強化
普段の生活の中では、何か取り組めることとかあるのかな?
家庭内では、様々な考え方ができることを日ごろから家族全員で話し合う時間を作りましょう。
学校で経験した嫌な事柄も、なるべくポジティブに捉えられるよう助言してあげることも良いでしょう。様々な困難に遭遇しても、「もしかしたら、違う考え方ができるかもしれない」という思考の切り替えができるようになります。
ただし、困難な状況にある子供を責めるような考え方を押し付けるのはやめましょう。
そんな状況であっても、家族は自分を守ってくれる、味方でいてくれると感じる土台を築くことも、レジリエンスを高めるのにとても重要になります。
家族の一員として、互いに支え合い、ソーシャルサポートを感じることで、子どももより強い心を持つことができるようになります。家族でストレスについて話し合い、互いに励まし合うことで、全員のレジリエンスを育むことができるでしょう。
ストレッサーのとらえ方を考える時に、子供の意見を否定してはいけないね。
「その考え方も良いね!お母さんは、こういう考え方もあると思うよ」と、あくまでも情報や方法の共有をする意識を持ってみよう。
レジリエンスを高めるための具体的な方法
そうは言っても、なかなか強い心を育てるのって難しいのよ・・・。
この間は朝出掛ける寸前に「今日は学校に行きたくない」って言われて・・・。
私も仕事があったし、どうするのが正解だったのか、今でもわかんない。
そうなんだね。
お子さんのSOSにはできるだけ答えてあげたいけど、いつもしっかりやるのは誰でも難しいよ。
まず、困難な状況やストレッサーに直面した時に、「それは絶対?」と常識に疑問を持ってみるといいよ!
命に危険がないことなら、学校だって休んでいいし、予定を急に変えられない時は、しっかり子供を一人の人間として相談して決めよう。
学校に行きたくないと言われたときの対応
子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親としてどう対応するかは非常に重要です。「学校に絶対に行かなければならない」と考えるのではなく、まず親がその固定概念を取り除き、子どもが本当に必要としているサポートを見極め、提供できるように準備しておかなくてはいけません。
では、もし、出かける直前に学校に行きたくないと言われたら、以下のように対応してみましょう。
- 落ち着いた説明をする
「ママにも仕事があるから、今日は学校に頑張って行ってみよう。保健室で休ませてもらう手もあるし、もし迎えに来てもらいたいなら、保健室の先生に伝えてね。」といった形で子どもに冷静に説明します。このように提案することで、学校に行きたくない気持ちを理解していると伝え、否定するわけではなく、選択肢を与えることができます。 - 動揺を見せない
親が動揺したり、困った様子を見せると、子どもは「親を困らせたくない」と感じ、次回から何かを相談しにくくなります。親は冷静でいることが大切です。そして、子どもに「いつでも相談していいし、親がちゃんとサポートするよ」というメッセージを伝えましょう。 - 固定概念を持たずサポートする
学校に行かないことが必ずしも悪いことではありません。子どもが休息を必要としていると感じた場合には、家で安心して過ごす時間を提供することも一つの選択肢です。重要なのは、子どもが心地よいと感じ、再び挑戦する気持ちを取り戻すまでサポートを続けることです。
普段から、常識だと思っていることは本当に常識なのかって考えておく必要があるわね。
子供が元気で安全に生きているなら、それ以外のことはそんなに大したことじゃないのかも。
子どもの強みを引き出す声掛け
子ども自ら、自分のできることや好きなこと、自分とは何かに気づくのは難しいところがあります。そのため、親や近くにいる大人が日常的に子どもの強みを言葉にして伝えるようにしてみましょう。
- 成功体験を強調する
「昨日の宿題、最後までがんばってたね」と、具体的な成功体験を認める言葉をかけましょう。子どもが自身の成長を感じられるようになると、自信が芽生えます。小さな事柄でも問題ありません。しっかり見ているよというメッセージにもなり、子供のモチベーションにも繋がります。 - 好きなことに関する声掛け
「君は絵を描くのが上手だね。見るたびに新しい発見があって楽しいよ」と、好きなことや得意なことに関するポジティブな声掛けをすることで、子どもは自分の強みを意識し、さらなる成長を目指すようになります。子供自身が自分の好きなことを認識していないことがあります。周りの人が「これが得意だね」「これが好きなんだね」と言葉にすることで、初めて、「自分はこれが好きなんだ」と認識することもあるでしょう。 - 肯定的な自己イメージを育てる
「君はいつも友達に優しく接していて、とても素敵だね」と、人格や行動に対して肯定的な言葉をかけることで、子どもは自己肯定感を育むことができます。これはレジリエンスを高めるために非常に重要な要素です。「ダメな子ね」「やることが遅い」「勉強できないの?」「これは苦手なの?」などと否定的な言葉をかけてしまうと、「自分はこれができないんだ」と自分自身にレッテルを貼ってしまいます。できるだけ肯定的なレッテルを多く貼ってもらうようにしましょう。
大人でも自分の強みや利点ってわからないものよね。
周りに言われて初めて気付いたりするから、子供には積極的に言葉にして言ってあげるのが良いってことね!
レジリエンスを育てるための日常的な工夫
子供とのちょっとした時間にも、「レジリエンス」を高めることはできるよ!
それぞれの子供に合った方法を実践してみよう!
レジリエンスを高めるためのゲームを活用する
レジリエンスを高めるためには、子どもが楽しみながら学べるゲームを活用するのが効果的です。家族の中で、下記のようなルールのゲームを取り入れてみると、レジリエンスを高めることができます。
- 「チャレンジカード」ゲーム
家族でカードを作り、それぞれのカードには挑戦することが書かれています。例えば、「友達に挨拶する」「新しい料理に挑戦する」などの簡単なものです。子どもがカードの指示に従って挑戦し、その結果を共有することで、成功体験を積み、レジリエンスを鍛えることができます。学校に出かける前に、一枚引いて挑戦してくるのも良いですね。 - 「何でもいいからポジティブなことを探そう」ゲーム
毎日、その日のうちにあった良かったことを1つ探して家族で共有します。小さな幸せを見つけることを習慣化することで、ポジティブ感情を育て、レジリエンスを高める助けになります。子供に良かったことを言ってと急に言っても、なかなか難しいこともあります。まずは、ママが、「今日は、ご飯をみんなが美味しそうに食べてくれた」など、簡単なポジティブな内容を示すことから始めましょう。 - 「ストレスフルな状況を想像して乗り越える」ゲーム
子どもに、例えば「明日の発表が緊張する」といったストレスフルな状況を想像させ、その状況でどう乗り越えるかを一緒に考えます。このように困難な状況を練習として想像し、それにどう対応するかを学ぶことで、実際に困難が訪れたときに柔軟に対応できるようになります。
どれも簡単に生活に取り入れられそう!
出かける前や寝る前なんかの親子の会話に入れてみるといいわね!
ポジティブ感情と自己効力感を育てる活動
レジリエンスを育てるためには、ポジティブ感情や自己効力感を育てる活動も重要です。
- 感謝リストを作る
毎晩寝る前に、感謝していることを3つ挙げるリストを一緒に作りましょう。この活動により、日常の中でポジティブな出来事を探す習慣がつき、ポジティブ感情を育てることができます。また、日常の当たり前は当たり前ではないことにも気づくことができ、よりポジティブな感情を育てることができるでしょう。 - 自己効力感を育てる小さな目標の設定
子どもに、小さな目標を設定させ、それを達成することで自己効力感を育てます。例えば、「今日は宿題を20分だけ集中してやる」という目標を設定し、それを達成することで「自分はやればできる」という感覚を持たせます。小さな目標を積み重ねることで、自己効力感を高めていけることでしょう。 - 困難に対する「I CAN」思考の強化
困難に直面したときに、「どうしたらできるか」を一緒に考える習慣をつけましょう。「これができたら次は何をしたい?」と前向きに考えさせることで、「I CAN」の思考を強化し、自己効力感を育てることができます。子供の時は、なかなか問題解決方法を思い浮かべられないこともあります。必ず大人が手助けしながら一緒に考えることがポイントになります。
まずは、前向きなマインドを作ることからやると、子供の気持ちも前向き思考に変わっていくかもね!
家族で行うレジリエンス向上のための取り組み
家族でレジリエンスを高めるための取り組みを行うことで、子どもはより安心して成長することができます。一緒に食事をするときや、ドライビング中などに、家族全員でやってみるのも良いでしょう。
- 家族会議で問題解決の練習
家族で小さな問題を取り上げ、それについて話し合い、どう解決するかを考えます。家族全員で意見を出し合い、最良の方法を見つけることで、子どもは問題解決の方法を学び、自分の意見が尊重される体験を得ることができます。
また、問題をちゃんと親に話す習慣もつき、気づかないうちに子供が大きな悩みを抱えていたというトラブルも防ぐことができます。 - お互いの強みを褒める時間を設ける
週に一度、家族全員がそれぞれの強みや良いところを褒め合う時間を設けましょう。この時間を通じて、自己肯定感を育てると同時に、家族の絆を深めることができます。
自分ではなかなか自分の良いところには気付きにくいものです。子供であってもそれは同じで、人に言われて初めて自分の強みを知ることもあるでしょう。 - 挑戦を共有する家族活動
家族で何か新しいことに挑戦する(例えば新しいスポーツや料理)ことで、失敗しても乗り越える体験を共有し、家族全員でレジリエンスを高めることができます。
ココではあえて少し困難なものに挑戦します。少し苦労したけど、何とかやり遂げることができたと感じることで、一見困難に見える事柄にも挑戦してみようという強い心を育てることができます。また、子供一人では挑戦ができなかった子にも、まずは家族と一緒に挑戦して成功することを繰り返すことで、単独でも挑戦する心の土台が作られていきます。
まとめ
レジリエンスを高めることは、子どもにとって大切な成長の一環です。学校に行きたくないといった状況に直面したときにも、親が冷静で柔軟な対応を取ることで、子どもは安心感を得られます。また、日々の声掛けやゲームを通じて、子どもが自分自身の強みを認識し、挑戦を恐れない心を育てることができます。
家族で取り組むレジリエンス向上の活動も、子どもにとって大きな支えとなります。物事をポジティブに捉えることや困難に対する対応策を学ぶことで、子どもは新しいことにも挑戦していけるようになります。家族全員で支え合いながらレジリエンスを育て、より健康で幸福な生活を目指しましょう。