季節の変わり目は、体調を崩す方が多く、病院にかかる患者さんの数が増えます。
朝晩の寒暖差が激しく、気圧の変動もあるので、頭痛がしたり風邪をひきやすくなるのです。
子供も例外ではなく、気温や気圧の変動についていけなくて、体調不良を訴える子が増えるのが、この季節の変わり目なんです。
うちの子は熱だけ出てしまって・・・
子供は体温調節が難しいから、熱だけでることもあるんだよ!
季節の変わり目に流行する病気もありますので、その症状なども紹介し、お子さんの症状と見比べていきましょう。
季節の変わり目の咳やのどの痛み。原因は?
気温や気圧が変動する季節の変わり目は、気管支に軽い炎症が起きやすくなります。
気温や気圧の変動で自律神経が乱れ、免疫力が下がるため、ここへ外から細菌やウイルスが侵入しやすくなります。
その防御反応としてのどが「炎症」を起こすというわけですね。
季節の変わり目だけでなく、エアコンによる乾燥が原因の場合もあれば、大人の場合、長時間話していたり、アルコールの摂りすぎでものどの痛みは引き起こされることがあるので注意しましょう。
のどの炎症を抑えるには?
咳やのどの痛みを治すには、早めにのどの炎症を抑えることが重要です。
病院にかかれば炎症を抑えるお薬が処方されますが、病院に行くほどでもないときは、マスクやのど飴などを使って、のどを保湿することを心がけてください。
長引く咳は注意!
咳症状が続くと、のどの炎症もひどくなります。
乾いた咳や鼻水が出て、次第にひどくなるようでしたら、早めに受診することをおすすめします。
子供の症状は熱だけ!こんな時はどうする?
子供が急に発熱すると、すぐに病院へ連れて行ったほうが良いのか悩みます。
子供の発熱は珍しいことではありませんが、すぐに対処しなければならない場合もあるため、見極めが必要です。
子供の体温は、大人よりも0.5℃ほど高いのが普通です。
また、午前中よりも午後の方が高くなる傾向に。
37.0℃を超えても元気なことが多く、環境の影響を受けやすいので、夏場だと37.5℃を超えることもあります。
じゃあ、夏は熱が高くても発熱しているわけではないのかしら?
38℃を超えるような熱は、明らかに異常ですし、平熱より1℃以上高いときは発熱していると思ったほうが良いです。
子供の発熱のほとんどの場合は、ウイルス性感染症によるものです。
ウイルス性感染症の多くは抗菌薬が効かないので、解熱薬などを使う以外は自宅で安静にしているのが一番の治療になります。
解熱薬に関しても、最近では水分や食事が摂れないだとか、高熱で眠れず体力の低下が懸念されるなどの場合は使われますが、病気の回復にあまり影響がないということで、推奨されていません。
発熱した時の対処法は?
解熱薬を使わないほうが良いというけど、早く熱を下げてあげたい
基本的には安静にしていることです。
発熱時は体がウイルスと戦っていますので、体力を消耗します。
落ち着いて布団やベッドで寝かせてあげましょう。
また、首や足の付け根、わきの下などを冷やしてあげると、体温の過剰な上昇を防ぐとも言われています。
そして室内の温度管理はしっかり行い、寒すぎず暑すぎない温度に保ちます。
発熱時は汗もかきやすいので、こまめに水分補給を忘れないようにしましょう。
病院を受診する目安は?
- 機嫌が悪く、元気がない
- 咳で眠れない
- 食欲がなく、水分補給もできない
- 顔色が明らかに悪い
- 呼吸が速い
- 意識がもうろうとしている
- 下痢や嘔吐の回数が多い
- 痙攣が起きた
ただし、3か月未満のお子さんは、38℃以上の熱がある時もすぐに受診されたほうが安心です。
季節の変わり目に風邪をひきやすくなる。予防するには?
でもやっぱり子供にはどんな時も元気でいてもらいたい
体調を崩す前に予防できたらいいんだけど・・・
体調を崩す前に予防ができたら一番いいです。
普段から心掛けておける予防法を紹介します。
手洗いうがいとマスク
やっぱり結局のところ、これが一番です。
コロナ禍に風邪をひく子が減ったり、インフルエンザの流行が少なかったのは、手洗いとうがいとマスクを日本中の多くの人が行っていたからだと言われています。
風邪の予防にも効果があるので、習慣づけて体調管理をしましょう。
免疫力に注意
免疫力が高ければ、ウイルスが体内に侵入しても、症状が出ないうちに体外に追い出すことができます。
規則正しい生活を心がけて、親子ともに免疫力を高めましょう。
- 栄養バランスが良く、体を温める食事
- 軽い運動
- ぬるめのお風呂にゆったり入る
- 適度な睡眠
季節の変わり目に流行りやすい病気はコレ
冬から春
インフルエンザ
感染力が強く、接触感染・空気感染します。
突然の高熱・関節痛・倦怠感などの症状が強く出て、咳・鼻水などの症状もでます。
溶連菌感染症
咽頭炎、扁桃炎を起こす細菌感染症。
飛沫、経口感染します。
高熱や激しい咽頭痛があり、24時間以内に細かい発疹がでることがあります。
ノロウイルス感染症
ノロウイルスによる胃腸炎。
大人から子供まで感染し、家族内感染します。
嘔吐、下痢、腹痛、発熱の症状が出ると言われますが、個人差があります。
便を介して経口的に感染するため、トイレやオムツ交換の後は、しっかり手を洗って消毒しましょう。
春から夏
水痘(水ぼうそう)
38℃以上の発熱と、かゆみのある水疱ができます。
接触・飛沫感染します。
瘡蓋ができるまで1週間ほどかかり、その間は感染力があるため、通園や通学はできません。
夏から秋
手足口病
手足の水疱と口腔の粘膜疹が生じるウイルス性発疹症。
発熱する場合もあります。
水疱にかゆみはありませんが、口内の痛みで食欲が落ちてしまうことがあります。
アデノウイルス感染症
プール熱の原因ウイルスですが、咽頭炎、角結膜炎、扁桃炎、胃腸炎などの原因ウイルスでもあります。
接触・飛沫感染します。
RSウイルス感染症
咳・鼻水に加え、喘鳴(ヒューヒュー)や多呼吸などの症状が出ます。
乳児では重症化しやすいため注意しましょう。
秋から冬
比較的感染症が少ない時期です。
季節を問わず流行する【リンゴ病】や【おたふくかぜ】に注意しましょう。
季節の変わり目に熱だけ出る!まとめ
季節の変わり目は大人でも気温や気圧の変動に身体がついていかず、体調を崩しやすいです。
子供は大人よりも元気ですが、環境に左右されやすい危うさもありますので、普段からの生活習慣を整え、環境の変化に負けない体づくりをしていきましょう。
困ったときは相談しよう
休日や夜間に子どもが発症した時、対処法がわからないとか、受診したほうが良いのかなど、電話で小児科医師と看護師に相談できます。
全国同一の#8000にかけることで、お住いの都道府県の相談窓口に自動転送され、適切なアドバイスを貰えます。